贅沢!マリアッチが生演奏をするメキシコのホームパーティーに参加した
仲良くしてくれるメキシコ人のおじさんが「ランチ食べにうちにおいでよ!」と誘ってくれたので行った時の話。
メキシコでは親しい仲間や家族でよく集まっては、個人のお家や庭先で共に食事をとったり飲んだりします。
ありがたいことにスペイン語が話せない私を、ホームランチに誘ってくれた優しいおじさんアントニオ。奥さんのミリーも元気のある肝っ玉母さんで料理上手。
「コチニータって食べたことある?ないの?!じゃあ絶対食べにおいで!」
ということで、ミリーさんの手料理を食べに、いそいそとお宅へお邪魔したのですが。
あ、あれ?
なんか私の知ってるホームランチじゃない。
すっかりアントニオの庭先でこぢんまりとランチなのかと思ったら、人がいっぱいいるし、ちょっとしたおしゃれな会場がセッティングされている。これはいったい。
アントニオにつたないスペイン語で「今日って何か特別なランチなんですか?」と聞いたら、
「おう。今日は俺の誕生日なんだ!だから友達呼んで今日はパーティさ」
そうなの?!ミリーさんの手料理のコチニータだけ楽しみに来てしまったから服装もTシャツとジーパンにビーチサンダルで来てしまったよ。
「そうでしたか!それはハッピーバースデー!」
と、さもこれは誕生日プレゼントですと言わんばかりに、持参した1ダースの缶ビールとおつまみのナッツをアントニオに手渡しました。持ってきていてよかったー。
13時から始まったアントニオのバースデーパーティー。
みんなが集まるのをゆるゆると飲みながら待って、ようやく全員そろった16時頃に奥さんのミリーさん特製のメキシコ料理「コチニータ」が登場しパーティーがスタート。
これがコチニータ。
コチニータとは豚肉をアチョテという調味料と酢と唐辛子、トマトなどで煮込んだもの。ユカタン地方の伝統料理です。
トルティージャにコチニータと黒いペースト(なんだろう)と赤玉ねぎの酢漬けをのせ、ライムを絞っていただきました。
コチニータ、豚肉がほろほろでおいしかった!トマトベースの味もすごくしみ込んでいました。手をびちゃびちゃにしながらがっつきました。おかわりをして、最後はトルティージャなしでコチニータだけつまんでいました。
お腹いっぱいになって一息ついていると、大型の車がやってきて中から楽器を持った人たちがやってきました。マリアッチです!
マリアッチとはメキシコの民族音楽を奏でる楽団のことで、ギタロン、ビヴエラ、ギター、バイオリン、トランペットの楽器で構成されています。
結婚式や街中のレストランにいるのを見たことはあるけど、まさか個人のパーティーでお目にかかれるとは!
ここから1時間、休みなくマリアッチがメキシコ音楽を奏でてくれました。
間近で見るマリアッチはめちゃくちゃかっこよかったです。
メキシコではこうしたホームパーティにマリアッチを呼び、生演奏でパーティーを盛り上げることはよくあるそうです。さすが!
陽気でトランペットの力強い演奏が住宅地に響き渡ります。メキシコの人たちも一斉にテンションが上がり、一緒に歌ったり、演奏中のマリアッチをバックに集合写真を撮ったりしていました。
この日のパーティーは13時から始まり、飲めや歌えやで結局0時過ぎまで盛り上がりました。そして一度帰ったこのマリアッチもまた23時頃ここへ戻ってきて、再び生演奏を披露してくれました。
そのころにはパーティー参加者の皆さん、お酒の力でだいぶできあがっていたので、みんな大声で大合唱。マリアッチもごきげんな音楽を力強く奏でていました。
そんな土曜日の深夜。近所迷惑など気しないメキシコのホームパーティ。日本との違いがたくさん体感できてとてもよい経験になりました。